小平市の成年後見基礎講座に参加しました
小平市の令和4年度 第3回 成年後見基礎講座に参加してきました。当日は4-50名と、かなりたくさんのシニアが参加していました。関心が高い話題ですね。
「後見人の実務を学ぼう」~申し立てから終了までの手続き、講師は、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート東京支部 司法書士の河西麻子さん、小平市で活躍する司法書士さんでした。
成年後見制度とは
成年後見制度は、意思能力が亡くなった、あるいは十分ではない方(本人)を、被後見人として権利を守る制度です。
大きく分けて主に認知症などで意思能力を失ってから手続きをする法定後見と、意思能力を失う前に将来の認知症などで意思能力を失うことを想定して改めて、後見人を選出しておく任意後見の2種類があります。
本日は、前者の法定後見のお話でした。
法定後見制度で本人に代わり出来ること
財産管理と身上監護を主に行います。以下のような説明がありました。
成年後見人は推薦できる
法定後見人は、家庭裁判所が決定しますが、家庭裁判所に申立する際に、以下の3つから選択できます。
- 家庭裁判所に一任
- (家族、四親等以内の親族など)申立人
- 申立人以外の人(市長推薦の場合は、市と連携している行政書士などが市から推薦されることも)
金融機関、証券会社、保険会社との契約、年金の受領処理を引き継ぎ、本人に代わり受け取り支払いができます。本人が受けている(介護などの)サービスの支払処理、役所への手続きなどを法定後見人に代行してもらえます。
家庭裁判所に、財産目録を提出、通帳の写しを提出など報告します。
身上監護(身上保護)
本人に代わり介護サービスがしっかり受けられるようにケアマネージャ、医師・看護師と情報供給連携します。当然ながら本人とは面談して状況を確認して、家族・親族と連携を図ります。
注意点
身元保証、身元引受人を兼任出来ないこと。シニアライフカウンセラー協会でも日ごろ教えていることですが、後見人=本人の代わり、身元保証人=家族の代わりですから、両方を兼任すると、利益相反となる場合があるため出来ない。
ここで家族・親族がいる場合は、身元保証人は家族、親族に引き受けてもらえるかと思いますが、身寄りのない方の場合は、シニアライフカウンセラーとして身元保証人が出来ると仕事を依頼される可能性はありますね。
手術など医療同意を求められる場合もありますが、それこそ本人の代わりですから、原則は出来ないと説明があり、医療同意は親族にお願いすることになります。
被後見人が、施設入居のため自宅を売却する必要がある場合は、家庭裁判所に許可をとらないといけない。実際につかった申請書の個人情報を消したものなどをつかって裁判所の審判の文書で説明いただきました。
会場から出た質問と回答
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申立ての際に、成年後見人の選任を家庭裁判所に一任する場合は、どなたが選ばれますか?
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東京都の場合は、弁護士、司法書士、社会福祉士が裁判所に名簿を出しており、この中から選任される
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法定後見を受けていると遺書はかけるのか?
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後見人だと難しい。被保佐人、被補助人は本人が作成できれば可能
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被後見人が不動産を売却するときは税金の控除はありますか?
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特別障碍者控除があります。要介護認定申請書を見て判断されます。
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被後見人の居住用マンション以外のセカンドハウス(以前住んでいた)の場合は家庭裁判所の許可は必要ですか?
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家庭裁判所の許可は不要、とはいえ内諾はとっておくようにしている。
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家族を後見人として申立て場合は、専任されますか?
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専門職が選任されることもあれば、家族が選任されることもある。家族が本人からお金を借りていたり、他の家族から反対意見が出ると選任されない。
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後見人が被後見人に先立って亡くなった場合はどうなるか?
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後見業務は終了する。自主的に申告が必要
終了後
講師の司法書士の河西さんとお話ししました。
任意後見の案件などで、お引き受けいただけますか?と質問されたら、法定後見が忙しくて難しいと回答がありました。
司法書士さんよって得意分野があり、法定後見をたくさん受けている先生は、他の業務はやらないのかもしれませんね。
以上