遺言書の必要性について

相談事例から今日は、遺言書の重要性について書きます。

連れ子同士の再婚夫婦の相続は争続になりやすい

お客様は、お子様がいる連れ子同士のご夫婦で、夫を亡くした直後の奥様からの相談でした。

連れ子夫婦の結婚では、残された伴侶と、連れ子の間のコミュニケーションが希薄なため、相続が争続になるケースが多いので、結婚したら直ちに遺言書を書くべきです。

自筆証書遺言書はありましたが、その書きぶりですと、有効になるかどうか微妙な内容でした。

被相続人と連れ子は縁がきれており、お葬式にも来られなかったそうです。

もし公正証書遺言であったならば、家庭裁判所での検認が不要であるため、相続人の連れ子から遺留分請求される可能性は低いです。

しかし、自筆証書遺言なので検認のために、相続人へ連絡がいくため相続人から遺留分請求をうける可能性が高まってしまいます

公正証書遺言、財産によって数万円の費用がかかりますが、このケースでは、とくに公正証書遺言を残しておくべきでした。

自筆証書遺言書の難しさ

財産は、マンションと現金。マンションは亡くなった夫が1/2、残りの1/2が奥さん

自筆の遺言書があったものの、マンション1/2を、奥さんの連れ子の娘さんに相続させるという内容。

  • 遺言執行者が指定されていない

という課題がありました。

遺言執行者が不在ですので、仮に遺言書が有効だとしても、遺言執行者の申し立てが必要となり、家庭裁判所との調整が必要となります。

教科書で学んだよくある遺言書の不備でした。

まとめ

  • 連れ子ありの再婚では、争続になりがちで遺言書は必須
  • 公正証書遺言があれば、相続人は直ちに執行できる
  • 遺言書は、遺言執行者の指定が必須

以上